マーケターはSFAとどう向き合うべきか

マーケティングは「売れる仕組みを作ること」と定義されることがよくあります。

一方で、SFA(営業支援システム)は売れる仕組みを構築する重要な要素ではあるものの、実際には多くのマーケターは「営業が主体的に扱う領域」という印象を持つ方が多いように感じます。

マーケターはMAなどのマーケティングツールに集中し、SFAは営業任せとなっている組織もありますが、本来はセットで「売れる仕組み」でありマーケティングと営業活動は切り離して考えるべきものではありません。

本記事では、マーケターがSFAをどのように理解し、どのように関わっていくべきか、私自身の経験を踏まえて解説します。

SFAを「商談製造工場」として捉える

私の考えるマーケターにとってのSFAは、質の高い商談を製造する“工場”であるという解釈です。

この工場で働く主な工員は営業です。そしてマーケターは、工場に投入する「見込み顧客」という材料の運搬者であり、それと同時に工場全体が安定稼働するよう責任を持つ立場だと考えます。

工場の各工程では、営業が行う活動情報がSFAという仕組みの中で適切に管理され、蓄積されることで現状が可視化されます。

マーケターはその可視化された情報を活用し

  • 見込み顧客という材料が不足しないよう営業に供給する
  • 営業が質の高い商談を製造できているかチェックする
  • 工場内でトラブルがあれば関係部門と調整する

といった役割を担います。

このように考えると、マーケターの仕事は「見込み顧客の共有」で終わるのではなく、商談化後のプロセスにも一定の責任があると言えるのです。

マーケターは工場長としてライン間の連携を支える

工場内部のメンバーはそれぞれの工程に強くコミットしています。しかし、工場内部の各メンバーは工程を横断して状況を判断するのは得意ではありません。

もしマーケターが“SFA運営=営業の責任”と割り切ってしまうと、営業・マーケ・インサイドセールスなどの部門間連携のトラブルがどこにも帰属しなくなってしまいます

また、部門間連携は売れる仕組み作りにおいて重要な要素でもあり、仕組み作りに責任を持つマーケ以外が担当すると新たな歪みが生まれます。

本来の流れは

  • マーケター:見込み顧客(材料)の搬入
  • インサイドセールス:見込み顧客の精査と品質向上
  • 営業:商談の品質向上

という一連のプロセスとして成立しています。

この流れを指揮する“工場長”として、マーケターは工程間の連携を俯瞰し、責任を持たねばなりません。

例えば営業が「インサイドセールスの見込み顧客の質が低い」と不満を漏らし、インサイドセールスが「営業の商談スキルが足りない」と反論するような状況が起これば、誰も全体最適を判断できなくなります。

工場長としてのマーケターは、上流工程から下流工程まで一貫して見渡し

  • 見込み顧客の品質
  • インサイドセールスの評価基準
  • 営業プロセスのボトルネック

といった課題を整理し、部門間の連携トラブルを解消します。

場合によっては「そもそも材料である見込み顧客の時点で改善が必要」という判断に至ることもあるでしょう。

SFAという工場を俯瞰して管理する存在がいなければ、組織全体として仕組みが機能しなくなってしまうのです。

“売れる仕組み”を広く解釈しよう

今回は、SFAを工場と捉え、マーケターが工場長としての役割を果たすべきという考え方をご紹介しました。

SFAは営業が使うツール、そのように切り分けてしまうと、売れる仕組みは部分最適に陥ります。

マーケターこそ、SFAを深く理解し、活用し、改善に関わることで、売れる仕組み全体を最適化していくことができます。

これからマーケティング業務に取り組む際は、ぜひSFAにも主体的に向き合い、マーケターならではの視点から全体最適に向けた関与と施策の立案を目指してみてください。