カスタマーサクセスはフェーズで定量管理しよう

「カスタマーサクセス」という言葉が一般的になり、同名の部門を設置する企業も増えていますが、実際には、単なる顧客サポート部門の延長のような状態になっている例が少なくありません。

結果として、カスタマーサクセスとして何を目指すべきかが曖昧になっている印象があります。

そこで今回は、カスタマーサクセスが目指すべき方向性について、フェーズで顧客の状態を可視化しながら施策を検討する方法を説明します。

カスタマーサクセスが目指すべきは「ファン化」

私はカスタマーサクセスの最終的なゴールは、顧客の「ファン化」だと考えています。

機能比較や価格比較といった評価軸を超えて、「好きだから買う」という状態に到達できれば、競合に対して非常に強力な優位性につながります。

Appleの新製品が出ると、とりあえず情報を調べたくなる、というのもまさにその一例です。

また、定期課金型サービスにおいては離脱防止という観点でもファン化は極めて重要であり、どの程度ファン化が進んでいるかを把握できれば、適切に現状を評価し、具体的なアプローチを設計しやすくなります。

ただし、「ファン化」をもう少し明確に定義しなければ方針がブレてしまいます。そこで、顧客の状態をフェーズとして厳密に管理することが有効です。

顧客の行動を基準にフェーズを設計を目指す

商談のフェーズ管理と同じように、「顧客がどの段階にいるのか」をフェーズとして定義すると、状況を正確に把握しやすくなります。

カスタマーサクセスを一連の流れとして考え、フェーズが進捗するたびにファン化が進むと定義するのです。

この管理上では顧客の離脱リスクを一律には扱わず、フェーズごとにリスクを測定管理し、なるべくリスクの低いファンの状態に顧客が近づけるようフェーズの前進を各種施策を通して目指します。

ここで重要なのは「顧客の行動」を基準にフェーズを作るという点です。

例えば

  • サービスの利用に慣れる
  • サービスの活用が深まる
  • 付随サービスの利用に広がる
  • ファンになる

といったフェーズを設定した場合、各段階において具体的にどの行動が見られるかを定義できます。

例としては次のように考えられます。

  • 「利用に慣れる」=アクティブ利用ライセンス率
  • 「ファンになる」=イベント登壇、導入事例掲載、インタビュー協力

一方で、こちらからメールを送ったらフェーズが進む、といった定義にしてしまうと、顧客の実態を正しく捉えられませんので注意が必要です。

行動を基準としてフェーズ管理ができると、カスタマーサクセスの進捗をより客観的に把握できるようになります。

フェーズ管理で顧客の状況を正確に把握し施策を立案

フェーズを定義した後は、商談フェーズの管理と同様に進捗を可視化していきます。

具体的には

  • フェーズごとの顧客数
  • 推移
  • ボトルネックとなっている段階

こうした点を明らかにし、それぞれに応じた施策を検討できるのです。

カスタマーサクセスチームはフェーズの進行を阻害している要因を分析し、施策を実行しながら前進を図っていきましょう。

定量化されたカスタマーサクセスこそが、曖昧さをなくし、目的に向け効率的な活動を支えます。