メールコンテンツで感情変化を期待しない。コンテンツ受容度を見るアプローチ

MAツールでは、シナリオに沿ってメールを自動送信できるため、初回のメールで興味関心を高め、次回のメールで自社製品を紹介するといった、一連の流れで顧客の感情変化を狙ったメールマーケティングが行われることがあります。

しかし、実際の運用経験を踏まえると、このような設計は必ずしも効果的とは言えません。

今回は、相手の感情変化を前提としたコンテンツ配信の問題点と、顧客の状態に応じた、より現実的な配信パターンについて解説します。

段階的な心理変化を狙う問題点

1. 前回のメールの内容は誰も覚えていない

「前回のメールで相手の考えがこう変化したから、2通目ではさらにこう変化させる」といったアプローチは、一見すると理にかなっているように見えます。

しかし、情報過多の現代において、受信者が前回のメール内容を正確に覚えていることはほとんどありません。

前回からの変化や文脈のつながりを前提にコンテンツを設計しても、その前提自体が成立しないため、期待した効果は得られにくいのが実情です。

2. 人の感情はコンテンツで変化しない

人はコンテンツによって簡単に考え方や感情を変えるものではありません。

現代では無数の情報が溢れており、人は自分にとって都合の良い情報だけを選択できます。

そのため、自身の考えと無関係、あるいは対立する立場のコンテンツが届いたとしても、積極的に読み込まれることはほとんどありません。

コンテンツ配信で現実的に期待できるのは、読み手が「今まさに求めている情報」を提供し、その内容を読んでもらうことです。

3. 相手の思想と異なるアイデアはストレスになる

感情を変化させる、あるいは説得しようとする行為は、相手の現在の思想とは異なる主張を押し出すことになります。

相手が求めていないコンテンツを受け取ること自体がストレスとなり、それが継続すれば、最終的にはコンテンツだけでなく、発信元そのものが敬遠されてしまいます。

MAで言えば、購読解除という形で明確に表れるでしょう。

相手の受容度をスコア管理し、コンテンツを提供する

感情の変化を期待するのではなく、相手の現在のコンテンツの「受容度」に応じて配信することが重要です。

相手の正確な心理状態を読み取ることは困難ですが、コンテンツをクリックしているかどうかといった行動から、「受容可能な状態にあるか」を判断することはできます。

興味があると断定できなくても、少なくとも情報に対してクリックし、情報をに対して受容可能な状態であると考えることは可能です。

相手がコンテンツを受容している限り、発信者は自社の主張を強めた内容を届けることができます。

受容度が高い顧客には主張の強いコンテンツを出す

受容度が高い顧客に対しては、製品購入を促すなど、より自社の主張が明確なコンテンツを提供することができます。

具体的には、サービス紹介や導入事例、購入に近いフェーズの情報が該当します。

つまり、初期段階ではサービス色の薄いコンテンツを中心に配信し、相手の受容度に応じて、製品紹介などのコンテンツを提供することが重要です。

また、自社の製品紹介色のコンテンツがクリックされなかった場合は「受容されていない」と判断し、次回以降はこれらのコンテンツは控えるなどの調整が必要になります。

コンテンツ提供は相手を説得するのではなく、相手が受容できるかに注目することで、受け手にとってストレスのないコミュニケーションを目指しましょう。