生成AIの普及により、インターネット上の情報環境は大きく変化しており、近年では、いわゆる「ネット情報のサマリ」に該当するコンテンツが、以前よりもクリックされにくくなっているというニュースを目にする機会も増えてきました。
コンテンツの価値の大部分を生成AI任せにしたものについては、もはやユーザーにとっての価値は薄れてきていると感じます。
今回は、生成AI時代を前提としたうえで、今後どのようなコンテンツの制作スタイルを取るべきかについて、私なりの考えを整理してみたいと思います。
コンテンツの価値は一次情報に集中
一般論については、生成AIが的確にサマライズして回答できる時代になりました。
そのため、マーケティングにおける著名なフレームワークや理論そのものを紹介するだけのコンテンツには、以前ほどの意味はなくなってきているでしょう。
これからのコンテンツにおいて価値が残るのは、現場で得られる一次情報です。
ここでいう現場とは、実際にビジネスの最前線でサービスの提案や提供を行っている場所を指します。
こうした一次情報には、生成AIが一般論としてまとめることのできない、その人自身が経験した独自の視点や判断、背景が含まれます。
まさに、この部分こそが今後発信すべき価値だと考えています。
企業としては、こうした一次情報をどのように外部へ発信していくのか、そしてそれを継続可能なオペレーションとしてどう設計するのかを考える必要があります。
誰もが生成AIでコンテンツを作れる時代
生成AIの登場により、コンテンツ作成は大きく民主化されており、私はこの状況を、「誰もがマーケター化する時代」だと捉えています。
必ずしも高度なライティングスキルがなくても、コンセプトやアウトラインさえ指定すれば、生成AIは一定品質の文章を生成できます。
読みやすさの調整や、てにをはの修正に多くの時間を割く必要もなくなりました。
その結果、マーケティングにおけるコンテンツライティングについて、必ずしもマーケターが中心となってリードしなければならない状況ではなくなりつつあります。
コアの価値は当事者が担当
コンテンツの価値が一次情報に集約され、誰もが生成AIを使って制作できる時代を踏まえると、今後のコンテンツ開発は、サービスの提案・提供部門が主導する形で進めてもよいはずです。
たとえば、セールスやインサイドセールス、コンサルティング、システム開発といった現場部門が、自身の知見をもとにアウトラインを作成し、それを生成AIがコンテンツとして形にする、という役割分担が考えられます。
マーケターは、制作そのものを担うのではなく、作成を支援し、完成したコンテンツが最大限のパフォーマンスを発揮できるように活用方法を設計したり、二次コンテンツへの展開を検討したりする役割を担うことができます。
生成AIにすべてを丸投げするのではなく、「どの価値を人が担い、どこをAIに任せるのか」を意識しながら、うまく活用して、コンテンツ制作を進めましょう。

ソフトバンクに新卒入社後、法人向けセールスとしてキャリアをスタート。その後は法人マーケティングチームの立ち上げに携わり、ユーザーとしてSalesforceの活用を経験。以降、アビームおよびPwCにてSalesforceを中心としたCRM領域のDXプロジェクトに参画。構想策定から要件定義、開発、実装まで、幅広いフェーズでシステム導入プロジェクトに従事
