仮に「受注ゼロ」の組織があったとします。もしその組織で、個々のメンバーの成果を“完全に横並び”でしか評価できず、結局は雰囲気や印象で判断してしまっているなら、それは「ゼロを評価できる粒度で管理できていない」と考えた方が良いかもしれません。
今回は、ゼロを異なる視点で評価できることの重要性について説明します。
すべての成果ゼロは同じではない
ここで言いたいのは、「ゼロという結果そのものを評価しましょう」という話ではありません。
重要なのは、同じ“ゼロ”に見えても、人によってその中身には差があり、活動内容や途中成果に違いがあるという点です。
そして、その差分を組織として捉えられるかどうかが、本質的な分かれ目になります。
もし全員を一律に「ゼロ」としか扱えない状態であれば、改善の糸口や突破口を見つけるのは難しくなります。
実際には、成果がゼロに見える状況でも、成果に向けた進み方には確かな差が存在します。
次につながる「成果ゼロ」なのかが重要
例として、テレマーケティングでアポイント取得をしているケースを考えてみます。
「アポが一件も取れない」という状況は、単純な“アポイント取得の失敗”だけでは片付けられません。電話がつながった後にも、たとえば以下のように複数の段階が存在します。
- 受付を突破できるか
- 担当者拒否をどう扱うか
- 担当者の部署や役職などの情報を得られるか
- 連絡先を取得できるか
成果にこだわって動けている人は、仮にアポ自体が取れなくても、連絡先の取得や担当者情報の収集など、次につながる成果を積み上げています。
断面で見ればどちらも「成果ゼロ」かもしれません。しかし長期的に見ると、こうした“こだわった動き”を積み重ねているメンバーの方が、結果として成果が出やすくなります。
プロセスを分解すれば、ゼロの中身を評価可能
成果までの過程を細かく分析し、理解できるようにするには、そもそもプロセスを十分な粒度で分解しておく必要があります。
さらに、そのプロセスがきちんと管理できるように、システム上で情報を登録・管理し、可視化できる状態にしておくことも欠かせません。
そうして初めて、たとえ受注やアポといった最終成果につながらないレベルの活動であっても、組織として正しい方向に前進できているかを評価できるようになります。
そして、上位者と下位者の差分こそが、改善すべきポイントです。そこが自社として努力すべき部分であり、成長余地が見える場所でもあります。
ゼロの差を可視化しよう
組織の成果をいまひとつ正確に評価できていない、改善が進んでいないと感じる場合は、成果がゼロであっても活動の差分を把握し、評価できるレベルでプロセスが整理できているかを確認してみてください。
もし「成果ゼロの差」を分析できないのであれば、そもそも分析可能な情報の粒度がまだ粗い可能性があります。
ゼロを可視化できるようになると、組織の実力は確実に伸ばしやすくなります。

ソフトバンクに新卒入社後、法人向けセールスとしてキャリアをスタート。その後は法人マーケティングチームの立ち上げに携わり、ユーザーとしてSalesforceの活用を経験。以降、アビームおよびPwCにてSalesforceを中心としたCRM領域のDXプロジェクトに参画。構想策定から要件定義、開発、実装まで、幅広いフェーズでシステム導入プロジェクトに従事
