この記事では、テレアポにおける「適切な粘り」について解説します。
粘るべきケースを具体的に例示しながら、どのような粘り方が成果に繋がるのかを整理していきます。
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ニーズのない相手への粘りは無意味
大前提として、テレアポにおいて「本当にニーズがない顧客」に対して粘ることには意味がありません。
顧客に価値が伝わらない時点で、そのアプローチからは一度引くべきです。
テレアポの本質は、顧客が現状どのようなニーズを持っているかを把握することであり、ニーズのない相手に粘ることではありません。
顧客の反応は、大きく以下の3つに分けられます。
- 「○」:ニーズあり
- 「×」:ニーズなし
- 「△」:判断がつかない、あいまい
「○」の反応であればアポイントに繋がる可能性がありますが、「×」の反応を示す顧客は、どれだけ粘ってもアポイントに繋がることはありません。
また、「○」と「×」の比率は、テレアポ以前のマーケティング施策やトークスクリプトの設計段階で、ある程度決まっています。
「×」を「○」に変える努力は、テレアポの現場ではなく、事前の施策設計で対応すべき領域です。
テレアポにおいて粘るべき場面は、「△」に近い反応に遭遇したケースです。
あやふやな「△」を示す顧客が粘る対象
現実のテレアポでは、顧客の反応が常に明確とは限りません。
短時間の会話だけでは「○」か「×」か判断できず、「△」に該当するケースも多く存在します。
この「○」と「×」の狭間にある「△」の反応を示す顧客から、適切な粘りによってアポイントを獲得できるかどうかが、テレアポの品質を大きく左右します。
「△」の代表的な例として、こちらの話に興味を持って聞いているものの、ニーズの存在を明確には認めないケースが挙げられます。
実際の現場では、態度と発言が一致しない顧客は珍しくありません。
実際のイメージ
顧客
「今はあまり優先度が高くないような気がしますね。以前検討したときは、こういう事情があって……」
ニーズを否定しているにもかかわらず、なぜか会話は途切れず、スムーズに続いていく。
このような担当者に心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
もちろん、本当にニーズが存在しない場合もあります。
一方で、
- いきなり電話で聞かれても信用してよいかわからない
- 本音を話すには情報が足りない
といった理由から、一歩引いた態度を取っているケースも少なくありません。
形式的な断り文句をすべて真に受けてしまうと、多くのチャンスを逃すことになります。
「△」に該当するあいまいな反応を確認した場合は、「適切な粘り」によって「△」を「○」に変えられないか、チャレンジすべきです。
「適切な粘り」≠ 説得
ここで注意すべき点は、「適切な粘り」とは、「そこを何とかお願いします」と強く押すことではない、という点です。
熱意を前面に出すだけの粘りは、本当にニーズがない場合、説得に近い状態になってしまいます。
ニーズが存在しない中で説得を続けると、顧客は強いストレスを感じます。
結果として、
- 今回のヒアリングが失敗する
- 今後の再アプローチが難しくなる
といった状況を招きかねません。
自分が「説得している状態」に陥らないよう、常に意識する必要があります。
適切な粘りとは「別の角度からの価値訴求」
適切な粘りを考える際は、あいまいな態度を示す顧客の視点に立つことが重要です。
一度ニーズを否定した顧客は、同じ文脈のままではニーズの存在を認めにくい状態にあります。
人は、自分が発した言葉を自分で否定することに心理的な負荷を感じるためです。
そのため、適切な粘りとは、
ニーズに対して別の角度から価値を提示し、異なる文脈でニーズを引き出すことを指します。
新しい価値に対するニーズの開示であれば、最初の否定と大きく矛盾しません。
営業側が「助け舟」を出すことで、顧客は無理なくニーズを肯定できるのです。
別の角度から価値を提示する具体例
事前に「△」の存在を意識しておけば、顧客の反応に応じてトークの方針を切り替えることができます。
例えば、テレアポでコスト削減のソリューションを提案しているケースを考えてみましょう。
初回の価値提示で、
- 「大幅にコスト削減できます」
と伝えた際に、「△」の反応が返ってきたとします。
この場合、
- 「手間をかけずにコスト削減できます」
という別の角度から価値を提示することで、同じ「コスト削減」というニーズを再確認できます。
- ① 初回の価値提示:大幅にコスト削減できる(実益の視点)
- ② 追加の価値提示:手間をかけずにコスト削減できる(業務負担の視点)
多くの商材は、1つのニーズに対して複数の価値を持っています。
視点を変えれば、訴求できる切り口は必ず存在します。
別の角度から価値を提示し、その反応を見ることで、本当にニーズがないのかどうかを冷静に見極めることができます。
適切な粘りを目指そう
明確にニーズがない反応を示す顧客に対して粘る必要はありません。
一方で、あいまいな反応を示す顧客に対しては、「適切に粘る」ことが重要です。
適切な粘りとは、同じ視点で押し続ける説得ではなく、別の角度から価値を提示し、新しい話題を提供することでニーズの存在を再確認する行為です。
ぜひ、トークスクリプトの設計段階から「適切な粘り」を意識してみてください。

ソフトバンクに新卒入社後、法人向けセールスとしてキャリアをスタート。その後は法人マーケティングチームの立ち上げに携わり、ユーザーとしてSalesforceの活用を経験。以降、アビームおよびPwCにてSalesforceを中心としたCRM領域のDXプロジェクトに参画。構想策定から要件定義、開発、実装まで、幅広いフェーズでシステム導入プロジェクトに従事
