生成AIの導入により、業務における自動入力や入力作業の簡易化が急速に進んでいます。
会議内容の文字起こしや議事録の自動作成など、これまで人手に頼っていた作業がAIによって効率化される場面も増えてきました。
しかし、SFAの分野においては、生成AIによる入力支援だけで入力に関する課題をすべて解決できるわけではありません。
今回は、生成AIでは解決しきれないSFA入力の根本的な課題について整理したいと思います。
情報の正確性を担保するのは営業担当者
生成AIを活用して会議をレコーディングし、その内容をもとに議事録を自動作成する、といった取り組みはすでに一般的になりつつあります。
既存情報の要約やテキスト化、さらにはSFAへの入力そのものについても、今後はAIがより簡易に対応する流れが続くでしょう。
一方で、情報の正確性を最終的に担保する役割は、依然として人に残ります。
どの情報をどのような意味として解釈し、どのデータとしてSFAに反映させるのかという判断には、人の責任が伴います。
例えば、「この商談は受注間違いなし」といった判断を、すべてAIに委ねてデータ登録することは現実的ではありません。
そのような状態では、数字に人の意思が介在せず、結果に対して責任を負う主体が不明確になってしまいます。
入力の支援はできても、意思決定や判断への人の関与は、SFAの領域において不可欠だと言えるでしょう。
不適切な情報入力は防止困難
人が情報入力に関与する以上、不適切な形で情報が歪められる可能性も常に存在します。
例えば、本来は見込み案件が不足している状況にもかかわらず、報告上の体裁を整えるために空商談を作成するといったケースは、珍しいものではありません。
また逆に、受注直前の案件を来期の実績として残すため、意図的に商談として可視化しないといった行動も起こり得ます。
これらの問題は、生成AIが入力作業そのものを支援したとしても解消できる性質のものではありません。
入力の手間ではなく、評価や運用の構造に起因する課題だからです。
集計情報を活かせる仕組みを持つべき
SFAにおいて重要なのは、単に情報入力を簡単にすることではありません。
入力された情報を活用する意味や価値を、メンバー自身が理解し、管理すべきだと感じられる環境を構築することが重要です。
情報入力のモチベーションが担保される仕組みがなければ、どれだけ高度なAIを導入しても、SFAは形骸化してしまいます。
入力の自動化と同時に、情報を活かす前提となる運用設計や評価の仕組みにも目を向けるようにしましょう。

ソフトバンクに新卒入社後、法人向けセールスとしてキャリアをスタート。その後は法人マーケティングチームの立ち上げに携わり、ユーザーとしてSalesforceの活用を経験。以降、アビームおよびPwCにてSalesforceを中心としたCRM領域のDXプロジェクトに参画。構想策定から要件定義、開発、実装まで、幅広いフェーズでシステム導入プロジェクトに従事
