生成AIを用いたチャットサービスの構築に取り組む企業が、ここ最近増えてきたと感じます。
本記事では、生成AIチャットを構築する際の業務要件定義について、前提として役立つ成果物の例を挙げながら解説します。
体験・基本線・シナリオ網羅でニーズを分析する
業務要件を可視化する際は、いきなり機能一覧から考え始めるのではなく、「あるべき体験」から検討を始めることをお勧めします。
まず理想的な体験を描き、その体験の基本形(基本線)を定義します。さらに、その基本形から派生するシナリオパターンを網羅する形で成果物を整理すると、要件の抜け漏れを防ぎやすくなります。
ユーザージャーニーを作成する
最初に作成すべき資料として、ユーザーのカスタマージャーニーの整理をお勧めします。
誰が、いつ、どのような体験をするのかを一貫した流れとして描写することで、サービス全体像が明確になります。
生成AIの活用を検討する場合は、ユーザーとの接点が発生するフェーズを網羅的に整理することが重要です。
どの場面で生成AIが役立つのかを検討する際のアイデアの漏れを防ぐことができます。
また、このように情報を整理して共有すると、ユーザー視点での活用アイデアが関係者から出やすくなるという効果もあります。
基本の業務フローを明らかにする
カスタマージャーニーによって開発スコープが明確になったら、次に基本となる業務フローを整理します。
生成AIがどのようにユーザーと接点を持ち、どのような流れでサービス提供が完了するのか、標準的な流れを描写します。
この基本形を明確にしておくことで、後からシナリオの派生パターンを作成した際にも対応品質のばらつきを防ぐことができます。
また、ステークホルダー全体でサービスの理解を揃えるうえでも非常に有効です。
対応パターンを具体化する
基本の業務フローが整理できたら、それを前提として対応するシナリオパターンを具体化していきます。
想定される問い合わせや利用状況を網羅的に整理し、提供したいサービス内容がすべて含まれるように作成します。
ここまで整理できれば、これらの資料が業務要件定義の前提資料となります。
そして、これらの前提資料を踏まえて、最終的な業務要件を作成していきます。

ソフトバンクに新卒入社後、法人向けセールスとしてキャリアをスタート。その後は法人マーケティングチームの立ち上げに携わり、ユーザーとしてSalesforceの活用を経験。以降、アビームおよびPwCにてSalesforceを中心としたCRM領域のDXプロジェクトに参画。構想策定から要件定義、開発、実装まで、幅広いフェーズでシステム導入プロジェクトに従事
