何らかの目的意識を持ってコンテンツを作成していると、個々のコンテンツの完成度に意識が向きすぎてしまい、「一連の体験」としてのコミュニケーション方針がおろそかになることがあります。
しかし、顧客との関係はコンテンツ単体ではなく、チャネル全体を通じた体験として形成されるものです。
今回は、コンテンツ単体の良し悪しではなく、チャネル単位で顧客とどのように向き合うべきかについて、私の考えをお伝えします。
居心地の良さが重要になる
チャネル単位でコミュニケーションを考える際に、最も重要だと感じているのが「居心地の良さ」です。
多くの場合、顧客との関係やコミュニケーションは短期的なものではなく、長期的に続いていくことを前提としています。
そのため、「このチャネルのコンテンツは、これからも読み続けたい」と感じてもらえる体験を設計することが欠かせません。
私が考える居心地の良さとは、
- 期待していた内容がきちんと提供されること
- 安心した気持ちで読み進められること
この2点が満たされている状態です。
コンテンツ閲覧前の期待を裏切らない
まず大前提として重要なのは、期待されたものがきちんと提供されているかという点です。
人はコンテンツを開く前に、必ず何らかの期待を抱いていますが、その期待が満たされなければ、チャネルそのものに対して不信感を持たれてしまいます。
動画投稿サイトなどでは、クリックを獲得するために本編の内容と関係のないサムネイルやタイトルが使われることがあります。
しかし、こうした手法は短期的には効果があっても、いわば焼畑的なアプローチであり、特にBtoBのように長期的な関係構築を前提とするコミュニケーションにおいては、決して相性が良いとは言えません。
まずは、自分たちのコンテンツが「相手の期待を裏切る体験」になっていないか、常に注意したいところです。
安心した気分で読めることの大切さ
長期的な関係を築く上では、「安心して読める」ことも非常に重要です。
たとえば、事実であったとしても、特定の業界や業務に対して「リスクが高い」「危険だ」といった表現を繰り返すチャネルは、安心して見続けられるものとは言えません。
これは対人コミュニケーションでも同じです。
「あなたは良くない状態だ」と何度も繰り返し指摘してくる相手と、事実であったとしても何度も会いたいとは思わないはずです。
もちろん、注意喚起や課題提起が必要な場面もあります。
ただし、そのような内容に偏りすぎて、相手に常に緊張感やストレスを与え続ける状態にならないよう、意識する必要があります。
選ばれ続けるチャネルであるために
読まれるコンテンツであることは重要です。
しかし、長期的な関係を考えるのであれば、「長く付き合えるコミュニケーション」という視点が欠かせません。
読む前の期待を裏切らないこと。
そして、安心した気持ちで読み続けられること。
これらを意識することで、顧客にとって「選ばれ続けるチャネル」を目指しましょう。

ソフトバンクに新卒入社後、法人向けセールスとしてキャリアをスタート。その後は法人マーケティングチームの立ち上げに携わり、ユーザーとしてSalesforceの活用を経験。以降、アビームおよびPwCにてSalesforceを中心としたCRM領域のDXプロジェクトに参画。構想策定から要件定義、開発、実装まで、幅広いフェーズでシステム導入プロジェクトに従事
