データ分析を行う際、分析に必要なデータを事前に定義することはよくあります。
ただし、分析の観点から見ると、投入するデータが導入時点で完璧にそろうことはほとんどありません。
私は、最初から完璧なデータを目指すよりも、後から柔軟にデータを追加し、整備できることの方が重要だと考えています。
今回は、分析データを追加・整備できる柔軟性が、なぜマーケティングの観点で重要なのかについて説明します。
施策からデータを検討する
マーケティングにおけるデータ分析は、単なる数値の把握が目的ではなく、多くの場合、何らかの施策を実行するためにデータを投入・管理します。
ここで言う施策とは、データ分析によってターゲットを抽出し、適切なアプローチを行うことです。
マーケティングの視点では、必要となるデータは常に変化し、施策立案のレベルが上がるほど、分析に必要なデータは増え続けていきます。
例えば、これまではエリア情報だけで顧客を分類していたとしても、今後は「直近で売上が伸びている業種」に絞ってリストを抽出し、重点的にアプローチしたいと考えるケースも出てくるでしょう。
このような場合、既存データだけでは不十分であれば、外部から情報を取得し、それを自社データと組み合わせて管理する必要があります。
その上で、より精度の高いターゲット抽出を行うことが求められます。
このようなケースが、組織の成長とともに増えていくのは自然なことであり、最初から分析に必要なデータをすべて漏れなく集めようとすること自体が、むしろ大きな矛盾だと言えるでしょう。
データが固定されるということは、視点が増えず、組織としての成長も止まってしまうことを意味します。
データを追加・結合できる管理プロセスが重要
もちろん、導入時点である程度のデータ定義が必要なのは当然ですが、無目的にデータを集めてしまうと、分析結果が施策に活かせなくなってしまいます。
そのため、どの施策を想定して、どのデータが必要なのかを意識した上で、初期データを定義することは欠かせません。
一方で、マーケティング活動の成長を考えるのであれば、後から柔軟にデータを追加できる運用プロセスと、それを支えるシステム管理を同時に目指す必要があります。
ターゲティング施策は、その時々の市場環境やトレンドに合わせて行うことも重要です。
「このデータがあれば、今すぐ施策に使える」と気づいたときに、追加できるプロセスが存在しなければ、貴重なタイミングを逃してしまいます。
完璧よりも、成長できる仕組みを
今回は、データ分析に必要なデータは、投入時点で完璧を目指すものではなく、追加し、結合し、管理できるプロセスとシステムこそが重要であるという点をお伝えしました。
新たにデータ分析基盤を導入する際には、「最初に何を入れるか」だけでなく、「後からどう成長させられるか」という視点を、ぜひ意識してみてください。

ソフトバンクに新卒入社後、法人向けセールスとしてキャリアをスタート。その後は法人マーケティングチームの立ち上げに携わり、ユーザーとしてSalesforceの活用を経験。以降、アビームおよびPwCにてSalesforceを中心としたCRM領域のDXプロジェクトに参画。構想策定から要件定義、開発、実装まで、幅広いフェーズでシステム導入プロジェクトに従事
