CRMを導入すると、データの蓄積に応じて閲覧可能な情報は自然と増えていきます。
可視化できる数字が増えれば増えるほど、「せっかく見えるのだから改善に取り組みたい」と感じるのは、ごく素直な心情でしょう。
その結果、CRM上で確認できる数字を次々と目標として設定し、管理対象のKPIが増えていくケースは少なくありません。
しかし、このような方針で数字を管理していくと、KPIそのものが形骸化しやすくなります。
KPIで管理すべき数字は、可能な限り絞るべきです。
今回は、なぜKPIを絞る必要があるのか、その意義について整理していきます。
KPIが増えるほど、数字管理は困難
KPIを細かく設定すればするほど、KPIの数に比例して一つひとつの数字の意味が認識されづらくなります。
実際の業務の中で、日々強く意識しながら取り組める目標の数は、決して多くありません。
多数のKPIを同時に追わせると、分解されたKPIそれぞれの意味が曖昧になりがちです。
また、KPI同士の優先順位が不明確になり、「どの数字を最も重視すべきなのか分からない」という状態を招きやすくなります。
結果として、数字は存在しているものの、行動に結びつかない管理になってしまいます。
KPIは3つまでのシンプルな構成がベスト
理想を言えば、各人が一つのKPIだけを負っている状態が、最もシンプルで機能しやすい形です。
ただし、現実の業務では一つに絞りきれないケースも多いでしょう。その場合でも、管理の観点からKPIは3つまでに抑えるべきです。
さらに重要なのは、複数のKPIがある場合でも、「その中で何を最も重視するのか」という優先順位を明確にすることです。
重視すべきKPIとその意義がきちんと伝わることで、現場にも浸透しやすくなります。
KPIはロジックツリーで抽出し優先順位を検討
どの数字をKPIとして設定すべきか迷った場合は、ロジックツリーで整理するのが有効です。
まず最上位に置くべき指標を定め、その数字がどのような要素に分解できるのかを検討します。
例えば、売上は「受注回数 × 商談単価」といった形で分解できます。
このように自社のビジネス構造を分解した上で、どの要素に重点を置くべきなのかを考え、KPIの対象を絞っていきましょう。
絞り込まれた目標に対して組織が一丸となって取り組むことで、認識のズレなく行動を揃えることができ、組織全体として一貫した活動を推進しやすくなります。

ソフトバンクに新卒入社後、法人向けセールスとしてキャリアをスタート。その後は法人マーケティングチームの立ち上げに携わり、ユーザーとしてSalesforceの活用を経験。以降、アビームおよびPwCにてSalesforceを中心としたCRM領域のDXプロジェクトに参画。構想策定から要件定義、開発、実装まで、幅広いフェーズでシステム導入プロジェクトに従事
