新製品を扱う際、どのような顧客やニーズに対して訴求すべきかを検討するために、多くの時間を分析に費やすことがあります。
分析そのものは確かに重要ですが、分析業務を進める際には、「実際に顧客へアプローチして反応を見る場合のコスト」と比較して、分析にかけている時間や予算が本当に妥当かどうかを意識する必要があります。
分析に注力し、アプローチを控える判断をする場合は、次の2点を常に念頭に置くべきです。
1. 分析に迷っている時間の機会損失
分析期間中、実際の顧客へのアプローチが行われていない場合、その時間はすべて機会損失となります。
仮に分析コスト自体が受け入れ可能な水準だったとしても、アプローチ前の分析を長く続けている状態は、本来であれば顧客から得られたはずの示唆や利益を後回しにしているとも言えます。
これは、少人数で起業するベンチャー企業によく見られる状況です。
新製品のアイデアを練り続け、顧客へのアプローチを後回しにした結果、いざ市場に出してみると顧客の反応がまったく芳しくなかった、というケースは珍しくありません。
2. 机上では想像できないニーズが明らかになる
実際の顧客にアプローチする前に得られる情報や、机上で検討できる分析には限界があります。
机上では高い確度で有効だと考えていたニーズが、実際にはまったく刺さらないということも十分に起こり得ます。
一方で、実際のアプローチを通じて初めて、新たな示唆が得られるケースも多くあります。
購入当事者ではない立場で考えられるソリューションのニーズには限界があります。購入当事者だからこそ見えてくる、まったく別のニーズや解決策が存在する可能性は常にあります。
さらに、顧客自身がソリューションを理解することで、自ら新たなニーズに気づき、それを共有してくれることもあります。
こうした示唆は、顧客にアプローチする前の分析段階では決して得られません。
分析負荷とマーケティングコストを比較しよう
分析から次のフェーズへ、どの程度のスピード感で移行すべきか迷った場合は、分析の負荷が本当に妥当かどうかをマーケティングコストと比較して考えることが重要です。
もしマーケティングや拡販に多大なコストがかかるのであれば、事前の分析にしっかりと労力をかける意味はあります。
一方で、メールマーケティングなど、比較的低コストで顧客の反応を収集できる手段がある場合は、分析に時間をかけすぎず、早めにテストマーケティングへ移行した方が良いでしょう。
机上で有効なセグメントについて散々悩んだものの、実際にメールを配信してみたら反応の差は一目瞭然だった、ということも十分に起こり得ます。
分析とテストマーケティングのバランスを意識し、どの段階で顧客に触れるべきかを常に考えながら進めることが重要です。

ソフトバンクに新卒入社後、法人向けセールスとしてキャリアをスタート。その後は法人マーケティングチームの立ち上げに携わり、ユーザーとしてSalesforceの活用を経験。以降、アビームおよびPwCにてSalesforceを中心としたCRM領域のDXプロジェクトに参画。構想策定から要件定義、開発、実装まで、幅広いフェーズでシステム導入プロジェクトに従事
