営業活動を行っていると、競合から自社顧客に対して、顧客奪取を目的とした組織的なアプローチが行われることがあります。
例えば、自社のシェアが高いエリアに狙いを定め、超低価格で一気にシェアを奪おうとするような施策が、計画的に実施されるケースです。
このような動きが発覚した場合、営業やマーケティング部門は、組織的に顧客防衛に向けたアクションを取る必要があります。
今回は、顧客防衛を行う際に有効となる「防衛チャネルの定義」について、その考え方を整理したいと思います。
防衛アクションにおける顧客分担は議論を要する
防衛アクションを検討する際、多くの時間を要しがちなのが、顧客対応業務の割り振りです。
防衛対応は、新規獲得のように前向きな活動ではなく、「競合がすでに訪問していないか」「どこまで介入すべきか」といった確認業務が中心になります。そのため、成果が見えにくく、前向きな獲得活動に直結しづらい側面があります。
このような背景から、防衛対象となる顧客の対応範囲については、組織内で議論になりがちです。
しかし、この議論を会議で何度も調整していると、その間に競合のアプローチが進んでしまい、自社顧客に対する防衛施策の実行タイミングを逃してしまう恐れがあります。
顧客と対応チャネルを事前に定義する
そこで有効なのが、顧客ごとに、緊急時を想定したアプローチチャネルを事前に定義しておくことです。
具体的には、営業が対応する領域、インサイドセールスが対応する領域、デジタルマーケティングで対応する領域などを、あらかじめ顧客単位で整理しておきます。
このように定義しておくことで、実際に防衛アクションが必要になった際、「どの組織が、どの顧客を担当するのか」を即断即決できます。
一般的には、重要度の高い顧客ほど営業訪問の優先度が高くなり、その次にインサイドセールスによるコール対応、その他の顧客についてはメールを中心としたデジタルマーケティングでの対応が想定されます。
事前にこの整理ができていれば、最も労力を要する「顧客対応の割り振り」に関する議論を省略でき、具体的な施策内容の検討に集中することが可能になります。
チャネルごとの割り振りは平時の施策検討にも有効
この考え方は、防衛アクションに限らず、通常の施策検討においても有効です。
日常の顧客対応とは別に、施策・キャンペーン実行時のアプローチチャネルを定義しておくことで、いざという時に迅速な行動が取れるようになります。
実際、キャンペーンを実施する際も、防衛対応と同様に「どの顧客に、誰が、どのようにアプローチするのか」は議論になりやすいポイントです。
顧客ごとのアプローチチャネルを事前に定義しておくことで、組織全体の対応スピードを大きく向上させることができます。
競合の動きが見えにくい今だからこそ、平時のうちに顧客ごとのチャネル区分を検討しておくことをおすすめします。

ソフトバンクに新卒入社後、法人向けセールスとしてキャリアをスタート。その後は法人マーケティングチームの立ち上げに携わり、ユーザーとしてSalesforceの活用を経験。以降、アビームおよびPwCにてSalesforceを中心としたCRM領域のDXプロジェクトに参画。構想策定から要件定義、開発、実装まで、幅広いフェーズでシステム導入プロジェクトに従事
