新卒インサイドセールス教育の弊害

インサイドセールスを経験した後に、フィールドセールスへ異動するというキャリアパスは、外資系IT企業では一般的だと言えるでしょう。

一社目でフィールドセールスを経験していた場合でも、ジュニアクラスのメンバーであれば、転職直後はインサイドセールスからキャリアを積み上げるケースも少なくありません。

また、新卒でインサイドセールスに配属される場合には、営業スキルの習得や成長という観点で、特に注意すべきポイントがあります。

今回は、新卒からインサイドセールスでキャリアをスタートする際に起こりやすい弊害について解説してみたいと思います。

言語情報に偏ったスキルアップになりやすい

新卒でインサイドセールスとしてキャリアをスタートした場合、顧客対応を通じて成長する主な機会は、電話やオンラインでのコミュニケーションになります。

このとき、顧客から得られる情報は基本的に「声」や「言葉」に限られます。そのため、相手の発言内容や言い回しなど、言語情報に意識を集中させた成長になりやすい傾向があります。

しかし、実際の商談や交渉の場では、非言語コミュニケーションが占める割合は非常に大きいものです。

相手が本当に興味を持っているのか、自分の発言に対してどのような反応を示しているのか。表情や視線、沈黙の間などを丁寧に読み取る力が求められます。

インサイドセールスからキャリアをスタートする場合、顧客の顔が見えていても、見えていないかのような歪んだコミュニケーションにならないよう注意する必要があります。

「ああ言えばこう言う」の改善がスキルアップになりやすい

インサイドセールスは言語情報が中心となるため、対応の改善もスクリプトレベルの話に寄りがちです。

「自分がこう話せば、相手からこの反応を引き出せる」
「相手がこう言ったら、次はこう切り返す」

といったように、会話をパターンとして整理し、スクリプト単位で改善していくこと自体は、一定の効果があります。

ただし、コミュニケーションそのものを「こう言われたら、こう返す」という単純なパターン対応として理解してしまうと、より複雑な状況への対応力を失ってしまいます。

ああ言えばこう言う、というロボットのような対応では、成長には限界があります。

現実の営業現場では、「あえて発言しない」「相手の反応を待つ」という選択が正解になる場面も少なくありません。

こうした感覚は、対面でのコミュニケーションを通してでなければ身につきにくいものです。

スクリプト人間にならないよう注意する

新卒からインサイドセールスでキャリアを開始すると、これらの前提を十分に理解しないままコミュニケーションスキルを鍛えてしまうことがあります。

その結果、いざフィールドセールスに異動した際に、インサイドセールス的なコミュニケーションが通用せず、戸惑いや混乱を感じるケースも少なくありません。

これからインサイドセールスでキャリアを始める場合は、「どのスキルがフィールドセールスの観点では学びづらいのか」を意識することが重要です。

インサイドセールスに完全特化したコミュニケーションしかできなくならないよう、あらかじめ注意しておきたいところです。