SFAは「Sales Force Automation」という名称が示す通り、営業活動の自動化や業務効率化を目的としたシステムとして、1990年代から存在してきました。
しかし、実際の現場を見ていると、SFAが十分に効果を発揮しているとは言い難いケースが少なくありません。
生産性の向上を実感できない、あるいは入力されないまま形骸化してしまう、といった光景も珍しくないのが現実です。
今回は、なぜSFAの導入は失敗するのか、どのように導入すれば良いのか解説します。
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SFAと他システムとの違い
SFAが思うように効果を発揮しない理由は、他の業務システムとの性質の違いを理解することで見えてきます。
例えば、在庫管理システムを例に考えてみます。
在庫管理システムは、最低限「在庫数を正確に管理する」ことができれば、その役割を果たします。
仮に在庫数が実態とズレれば、それだけで大きなトラブルに発展するため、正確な記録管理そのものが価値になります。
つまり、在庫管理システムは「正確な在庫数を把握できる」だけで、十分に存在意義があるシステムです。
一方、SFAはどうでしょうか。
SFAも営業活動の情報を登録・管理することはできます。しかし、情報を登録できるだけでは、SFAは役割を果たしたとは言えません。
SFAは、営業の生産性を向上させて初めて意味のあるシステムです。
単に営業メンバーに情報登録を求めても、その登録自体に価値を感じられなければ、入力は定着しません。
成果につながらなかった商談や、有効な情報が得られなかった営業活動を記録することに対して、現場が「意味がない」と感じてしまうのは自然なことです。
SFAは、
「機能を作れば価値を生むシステム」ではなく、「生産性向上を実現して初めて価値を持つシステム」
である点を理解する必要があります。
この前提が十分に共有されないまま「とりあえずSFAを導入する」という判断をしてしまうと、現場での運用が失敗に終わるケースが多く見られます。
”生産性の高い営業活動”の定義困難
では、なぜ生産性を高めるSFAの構築は難しいのでしょうか。
その理由は、「生産性の高い営業活動とは何か」を定義する必要があるからです。
どのような営業活動が生産性が高いのかが曖昧なままでは、それを支援するシステムを設計することはできません。
しかし、多くのSFA導入プロジェクトでは、この定義が曖昧なままシステム構築に進んでしまいます。
生産性の高い営業活動を理解し、言語化することは、事前知識がなければ容易ではありません。
IT部門やシステム開発ベンダーは営業のノウハウを十分に理解しておらず、一方で営業側も、自身の経験のどこがシステム化できるのかを明確に認識できていないことが多いのです。
その結果、「とりあえず情報を入力する箱を作っただけ」という状態に陥りがちになります。
”生産性の高い営業活動”は自社にある
では、生産性の高い営業活動とは何でしょうか。
確実に言えることは、自社で最も高い成果を継続的に出している営業メンバーの活動こそが、生産性の高い営業活動であるという点です。
どの企業でも営業成果は均一ではなく、長く続く事業では、上位2割の営業が利益の大半を生み出していると言われています。
SFAが実現すべき本質は、
この生産性の高い営業メンバーの活動を、他のメンバーが再現できるよう支援することです。
つまり、SFAはゼロから理想的な営業活動を生み出すものではありません。
すでに社内に存在する「成果を出している営業活動」をコピー・再現するための仕組みなのです。
もし、自社の営業活動の「正解」が見えていない状態でSFAを導入するのであれば、それは時期尚早と言えるでしょう。
SFAを入れれば自動的に営業生産性が上がるわけではありません。
生産性の高い営業活動を明確にし、それをSFAによって模倣・展開することで、初めて成果につながります。
この理解がないまま導入を進めると、「現場の業務を聞いて機能を追加しただけ」のSFAに留まってしまいます。
SFAが”生産性の高い営業活動”の実現を支援する仕組み
では、SFAはどのように生産性向上を支援するのでしょうか。
SFAは主に、自動化と可視化によって、生産性の高い営業活動の実現を支援します。
生産性の高い営業活動を定義すると、その中には自動化できる業務が必ず含まれます。
例えば、資料作成やメール送信など、時間を奪う定型業務は自動化の対象となります。
また、生産性の高い営業が「何をして成果を出しているのか」を可視化することも重要です。
たとえば、商談初期にニーズのヒアリングを徹底している、といった行動が挙げられます。
これらの行動をSFAに記録・可視化できれば、生産性の高いメンバーとそうでないメンバーの差分を把握し、改善施策を検討できます。
つまり、生産性の高い営業活動が定義できれば、
何を自動化すべきか、
どの行動を管理すべきか、
どの数値ギャップを埋めれば良いのか、
判断できるのです。
最適な営業プロセス分析が必要
SFAで生産性の高い営業活動を実現するためには、前提として営業プロセスそのものを分析する必要があります。
ただし、この分析には営業とITの両方の視点が欠かせません。
営業部門だけにプロセス設計を任せると、システム化の観点が抜け落ちがちです。
一方、IT主導だけでは、現場で本当に価値のある営業ノウハウを捉えきれません。
SFA導入を前提とした営業プロセス分析では、
「システムでできること・できないこと」を理解した上で、仮説を持って整理する必要があります。
そのため、SFA導入における営業プロセス分析には、SFAを専門とする支援者の関与が不可欠なのです。
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弊社「営業プロセスドットコム」を運営する株式会社マーケティングルーツでは、生産性の高い営業活動の具体化を無料で支援しております。
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弊社は営業だけでなく、マーケティング、インサイドセールス、カスタマーサクセスまで、顧客接点全体を横断した実務経験と知見に基づく分析を強みとしています。
ご提案内容を踏まえ、弊社と一緒にSFA導入を進めるか、別の選択肢を検討されるかは自由です。
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ソフトバンクに新卒入社後、法人向けセールスとしてキャリアをスタート。その後は法人マーケティングチームの立ち上げに携わり、ユーザーとしてSalesforceの活用を経験。以降、アビームおよびPwCにてSalesforceを中心としたCRM領域のDXプロジェクトに参画。構想策定から要件定義、開発、実装まで、幅広いフェーズでシステム導入プロジェクトに従事
